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主軸受の新たなメンテナンス手法(CBM手法)が船級認証を取得

 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション(以下「J-ENG」)が、海運会社、船級協会と進めてきた共同研究において、その成果となる主軸受の新たなメンテナンス手法(CBM手法、注1)が、一般財団法人 日本海事協会(以下「NK」)に認証されました。

1. 背景

 現在、船舶の整備指針に用いられているTBM手法(注2)は、機器の状態に関わらず定期的な検査を実施する必要があり、補修費用の発生や運航スケジュールへの影響といった課題を抱えています。J-ENGは、海運会社と船級協会とともに、こういった課題に対応するため、CBMに基づいたメンテナンスを実現するための共同研究を2019 年11 月より実施してきました。

研究内容 パートナー
ディーゼルエンジン主機関におけるCBM実現に向けた共同研究 日本郵船株式会社
株式会社MTI
一般財団法人 日本海事協会
株式会社ジャパンエンジンコーポレーション
 

2. 船級認証されたCBM ⼿法について

 2021 年にNK が発⾏した「CBM ガイドライン第2 版」に採⽤された船舶⽤⼤型ディーゼルエンジンの主軸受の状態を温度データとして監視する⼿法です。
 船舶運航データと主機主軸受にセンサーを設置することで取得可能となる軸受の温度データを可視化し、海運会社及び船級協会とリアルタイムにデータを共有することができる「ディーゼルエンジン主軸受状態監視装置」を共同で開発し、⽇本郵船株式会社が所有する⽯炭船「能代丸」に実装されました。
 この取り組みにおいて、J-ENGは、状態監視手法の選定に向けたリスクアセスメントの実施、状態監視システムの設計と設置工事及び、主軸受の異常判定に使用する閾値の設定を実施しました。また、「ディーゼルエンジン主軸受状態監視装置」の運用中は、計測されたデータの分析や状態判断を行い、認証の取得に貢献いたしました。


3. 今後の展開

 主軸受以外の機器についてもCBMを用いたメンテナンスの適用検討を継続します。効率的で安全な運航のために、機関プラントの状態を常時監視し、最適なメンテナンスが実現できるCBM手法は有効であり、その発展を目指していきます。
 J-ENGは、船舶の高度自動化、自律化が発展する中、IoTやAIを用いた技術開発とサービス提供に積極的に取り組み、今後も海事業界の持続的な発展に寄与して参ります。


(注1)状態基準保全(CBM:Condition Based Maintenance)
機器が故障した後や定期的にメンテナンスするのではなく、機器の状態を常時モニターして状態に応じて都度メンテナンスを⾏う予知保全のこと。

(注2)時間基準保全(TBM:Time Based Maintenance)
周期的に故障する設備・部品に対して交換周期を予め決めておき、定期メンテナンスすること。

【関連リリース】
<CBM ガイドライン>
2021年5月14日発表;<共同研究で策定した「状態監視保全の対象機器及び手法の選定指針」が 「CBMガイドライン第2版」に採用 | 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション (j-eng.co.jp)>

<日本郵船株式会社プレスリリース>

<株式会社MTIプレスリリース>

<一般財団法人 日本海事協会プレスリリース>


本件に関するお問合せ先

株式会社ジャパンエンジンコーポレーション
担当窓口:総務広報課
TEL:078-949-0800

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