LSJシリーズ

MGO(A重油)を使用するメリットについて
MGOは、マリンガスオイルの略で、MDO(Marine Diesel Oil : 船舶用ディーゼル油)やA重油同様に、これまで船舶用ディーゼルエンジンで使用されてきたC重油に比べ、高品質で環境に優しい燃料です。価格は高めですが、燃焼性も良いので、エンジンのトラブルが減少し、入手性も問題がありません。また、燃料をMGO単一とすることで、システムがシンプルとなり、船舶の設備投資費、オペレーションコスト、メンテナンスコストを低く抑えるこができます。
船上で大幅に削減、小型化できる装置として、燃料タンク、ポンプ、清浄機、フィルター、ヒートレース用配管などがあります。
更に低燃費により、燃料価格の高さを相殺することができます。
MGO(A重油)と他の燃料の特徴の比較
MGO(A重油/軽油相当) | 低硫黄重油(適合油) | LNG | 重質油(C重油) | |
燃料価格 | 高価 | 比較的高価 | 比較的安価 | 安価 |
燃料入手性 | 良好 | 良好 | 限定的 | 良好 |
燃焼性 | 良好 | 燃料規格未決定 混合でスラッジが発生 燃えにくい FCC粒子のリスク |
良好 | 現状と同等 |
MGO(A重油)と低硫黄重油(適合油)との比較
MGO(A重油/軽油相当) | 低硫黄重油(適合油) | |
混合安定性 | 安定している | マッチングによって、スラッジ発生の可能性がある ストレーナーの閉塞による機関の停止等を引き起こす可能性がある |
低温流動性 | 流動点が低い | 流動点が高い |
FCC粒子(Cat Fine) | FCC混入のリスクなし | 2次精製装置により、FCC混入のリスクがある FCC粒子により、リング・ライナや燃料ポンプに過大摩耗が発生する可能性がある |
着火遅れ 燃焼性 |
着火遅れ なし 燃焼性 良好 |
硫黄分調整のため、混合されるLCO(ライトサイクル油)により、 着火性や燃焼性が不良となる傾向がある リング・ライナの異常摩耗を引き起こすリスクがある |
MGO(A重油)と他の燃料のシステム、運転・保守内容、船の設備投資の比較
MGO(A重油/軽油相当) | 低硫黄重油(適合油) | LNG | 重質油(C重油) | |
システム | シンプル ・燃料単一系統 ・燃料加熱不要 |
現状と同等 | DFエンジン+LNGタンク+供給システム必要 | Soxスクラバー必要 |
運転・保守 | 簡単 負担軽減 費用削減 |
現状と同等 | 非常に複雑 有資格乗組員必要 | 複雑 |
船の設備投資 | 小 | 現状と同等 | 莫大 | 大 |
その他 | エンジン信頼性向上 運転・保守作業が軽減 |
エンジン・燃料系統のトラブルが増加する可能性あり | 環境性能は良好 | スクラバー水排水禁止海域の拡大傾向 |